【Episode 3】社畜、そして不眠症、からの海外プロジェクト

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前回のあらすじ

人前で英語を話すことを恐れて避け続け迎えた社会人3年目、急に命じられたシンガポール単独出張。
あわやプロジェクト失敗という崖っぷちの状況を挽回する中で、「完璧な英語を話すよりも『伝えたいという想い』が大事」だと学ぶ。
この経験を通して一皮むけた僕を待っていたのは・・・

目次

社畜生活の始まり

初めての海外単独出張でのプロジェクトを無事成功で終え、自信がついた僕。

プロジェクト成功は当然ですが、それより「自分自身が変わった」ことの方に喜びを感じていました。

このプロジェクトは単発だったので、帰国後はまた通常の業務に戻ったのですが、入社4年目くらいから担当業務が少し変わりました。

詳しい内容は書けませんが、簡単に言うと「官庁を相手にする書類業務」です。

この業務は次のような特徴があり、正直言って誰もやりたくない、社畜になることを避けられない業務でした。

・内容は官庁が定めた書類に基づいて情報を調べたり埋めたり、という業務
・デジタル化すればすぐ終わるような書類や、「これ本当に必要?」と思う書類がとても多い
・それでも官庁への提出が定型書式で義務づけられており、簡略化もできない
・膨大なのに作業分担するのが難しいので特定の人に業務負荷がかかる
・毎年の提出が法律で決まっており、誰かが輪番でやらないといけない
・特定のスキルが求められるという訳ではなく、ある程度誰でもできる

この担当が、入社4年目の僕に回ってきてしまったのです。

僕以外に候補者がいなかったわけではない中で、なぜ僕に回ってきたのか?

それは、当時はわかりませんでしたが、後になって考えると「自分にしかできない業務がなかったから」というのが理由の1つじゃないかなと思います。

当時の他の候補者は皆、「その人にしかできない業務」を持っていて、この「誰でもできる業務」を担当させてしまうと、部署として仕事が回らなくなる状況だったのです。

一方で僕はそのような「自分にしかできない業務」はありませんでした。

シンガポールのプロジェクトを成功させたといっても、その仕事は単発なので、その後そういった仕事はしばらく発生しない見込みでした。

「自分にしかできない業務」がなく、「誰でもできる業務」が回ってきてしまい、社畜生活が始まったのでした。

ついに体調に異変が

こなしてもこなしても減らない業務量に忙殺され、いつしか休日出勤が当たり前の生活になっていました。

土曜日に朝一で出勤し、誰もいない静かなオフィスで作業を始め、気づいたら夜23時の終電ギリギリになっていた、ということもありました。

この頃の残業時間は、とてもこのブログに書けるレベルではありませんが、勤務先の支社全体でトップ5に入っていたそうです^^;

明らかに顔色が悪くなっていったことは同僚に伝わっていましたし、「大丈夫?手伝おうか?」と優しく声はかけてくれたのですが、それでも分担ができない業務なので自分がやるしかありません。

顔色が悪すぎるよ、いいからもう休んで

と上司から強制的に休むよう言われたこともありましたが、

僕が休んで提出が遅れると、法令違反になりますよ?

と答えると、法令違反はもっと困る上司は「じゃあ体調最優先でお願いね」と言うしかない、そんなやりとりもありました。

業務は増える一方のある日、ついに体調に異変が発生します。

翌朝にある重大な会議に間に合わせるために、会社に泊まり込んで徹夜で作業して対応した僕は、会議を終えた直後に脱力感に襲われ、昼休みにタクシーで帰宅するよう命じられました。

そしてフラフラの状態で帰宅して、シャワーを浴びて、とりあえず寝ようと布団に入ったところで更なる異変に気付きます。

徹夜明けなので眠気はピークのはずなのに、まったく寝れる気がしないのです。

強制帰宅してしまったために、処理が進まず更に溜まっていく業務を想像してしまい、心が落ち着かない。

結局布団から出て、持ち帰ったパソコンを開いてしまうのですが、今度は眠気のため頭が働かず、まったく作業が進まない。

睡眠をとって回復することもできないし、業務を進めることもできない、不眠症の負の循環に陥っていたのです。

新たなシンガポールプロジェクトのチャンス

この一件はさすがに問題になり、これをきっかけに官庁対応業務のやり方が変わって徐々に緩和されていきましたが、依然として残業生活は続きます。

そんなとき、また新たなシンガポール関連のプロジェクトのお話が僕の部署に舞い込んできました。

前回の1週間の単発プロジェクトとは違い、今回は合計4か月間にわたってシンガポール拠点を支援するプロジェクトです。

これを部内で誰が担当するか、という話になった時に僕は考えました。

もう今後は社畜のような仕事はしたくない。そのためには「自分にしかできない」領域が欲しい。シンガポールは単発だが一度プロジェクトを経験しているし、部内では自分だけだ。チャンスかもしれない。

こうして僕は、「シンガポールを経験している自分が適任だ」と手を挙げてこのプロジェクトを引き受けたのです。

まだ残業漬けの生活から完全には抜け出せてはいなかった中で、このプロジェクトを追加で引き受けるとまた残業が増えるのは明白でした。

そこで、当時僕が担当していた他の業務を他の人に引き継ぎ、シンガポール関連プロジェクトを担当できるよう上司に調整を頼みました。

「自分にしかできない業務」を引き受け、「誰にでもできる業務」が他の人の手に渡ったのです。

こうして僕は、4か月間にわたるシンガポール支援プロジェクトを主導することになります。

4か月の間、頻繁に現地に行って技術指導を行いましたが、過去に単発プロジェクトで学んだ「英語は完璧でなくても、まずは伝えたいという『想い』が大事」を胸に必死に頑張りました。

そのおかげで、今度はうまく英語でコミュニケーションを取りながらプロジェクトを成功に導くことができました。

この経験から、海外に飛び出すことに対する自信がつき、海外留学を志すことになります。

Episode 4へ続く】

このブログの管理人はこんな人
  • 英語を使って海外顧客相手に仕事する日系企業サラリーマン
  • もともと純ジャパ・海外経験なし、社畜生活で不眠症を経験
  • 自分を変えるべく独学で&国内で英語を習得、TOEIC950点
  • ドイツに研究留学して博士号取得、2024年から海外駐在へ
  • 英語で人生を豊かにする人を増やしたい!
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