「TOEICってなぜこんなに人気なの?いつから?」
「TOEIC人気って日本だけなの?海外ではどう?」
日本でのTOEIC人気は凄いですよね、書店に行くとTOEIC対策本がズラッと並んでいて、人気の高さを感じます。
一方海外ではどうかというと、僕がドイツ留学中に現地でTOEICを見たことはなく、周りの友人も誰も知りませんでした。
なぜTOEICが日本だけこんなに人気なんだろうと調べてみると、実はTOEICの歴史的に日本人と日本企業との結びつきが強いからだと理解できました。
今回は、TOEICが日本で人気な理由を、その生い立ちからの歴史をもとに解説し、TOEICの効果的な活用方法を提案します。
TOEIC人気の理由を知りたい方、TOEICを効果的に活用したい人はぜひ読んでくださいね。
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TOEIC歴史;いつどうやって誕生したのか?
まずはTOEICがどのように誕生したか、その生い立ちを見てみましょう。
生みの親は日本人
TOEICの誕生はなんと1979年、実は日本人が大きく関与して開発されたテストです。
1970年代の日本とアメリカの経済状況は次のような状況にあり、日米経済摩擦へと発展していくような情勢でした。
日本の経済状況 | アメリカの経済状況 |
世界第2位のGNP(国民総生産)を誇る経済大国 | 省力化や労働生産性の向上などにおいて日本に後れを取り、国際競争力が低下 |
自動車や電機機械、半導体などの分野が成長を遂げ、積極的に海外展開を進めていた | 特に自動車の分野では、小型で燃費の良い日本車に市場を席巻され、アメリカ車メーカーが一時的解雇を行うように |
日本の企業が海外へと市場を拡大していく状況の中、英語でのコミュニケーション能力の必要性が高まっていたのです。
しかしながら英語でのコミュニケーションがうまく図れず、商談や会議で実力を発揮できない日本人ビジネスパーソン達…
「日本人の英語でのコミュニケーション能力を向上させないと、これからの日本は、国際ビジネスの世界で通用しなくなる」
このような状況に直面し、立ち上がった日本人が北岡靖男氏(1928~1997年)と渡辺弥栄司氏(1917~2011年)の2人です。
ともに国際舞台での経験を数多く踏んできており、青山ビルの同じフロアにオフィスがあった2人。
日本人ビジネスパーソンの英語でのコミュニケーション能力や日本の英語教育について課題を感じ、意気投合します。
TOEICテストの実現に向けた交渉
2人は、英語でのコミュニケーション能力を客観的に把握できる「モノサシ」が必要ではないかと考えました。
ではその「モノサシ」をどう作るか、ここに三枝幸夫氏(1931~2005年)というもう1人の日本人が関わります。
この三枝氏より「モノサシを作るならETSにテスト開発をお願いするのが良いのではないか」と助言を受けた北岡氏は、早速ETSを訪ねます。
- アメリカのニュージャージー州に本部を置く非営利団体(1947年設立)
- TOEFL®テストやGRE(大学院入学共通試験)などの試験を開発
しかしながらETSの反応は当初
・個人からテスト開発の依頼を受けたことは一度もない
・ましてや、遠く離れた日本からの依頼である
・英語を母語としない人たちを対象とするテストとしては既にTOEFL®テストがある
と消極的なものでしたが、それでも北岡氏の挫けない姿勢により次第に彼の言葉に耳を傾けるようになり、1977年9月に交渉がスタートします。
2年にも及ぶ研究開発を経て、妥当性・信頼性・公平性のあるテストを追求し、1979年にTOEIC L&Rが実現したのです。
一方の渡辺氏も、日本国内でテストを実施・運営するための組織作りに奔走し、通商産業省(現・経済産業省)の認可を得ることに成功しました。
TOEICの成長;いつからこんな人気になったのか?
1979年に始まったTOEICテストの受験者は、次のように年々大きく伸びてきています。
・初回(1979年):3,000人ほど
・1985年度:88,000人
・1990年度:332,000人
・2000年度:100万人を突破
・2021年度:約212万人
TOEIC成長の背景には日本企業の存在が
このように大きく伸びたのは、企業活動のグローバル化が一気に加速したことが要因です。
目標スコアを設定して英語研修を行ったり、人員採用や海外部門要因の選定、さらには昇進・昇格の要件として活用したりと、TOEICを採用する企業が急増したのです。
テスト開発の段階で、妥当性、信頼性と公平性をしっかりと確保したからこそ、日本企業の信頼を得て広がったのですね。
2023年現在も、日本企業の多くで英語コミュニケーション力の指標として、研修や昇進などに使われ続けています。
残念ながら世界的には少数派
日本企業を中心に大きく広がってきたTOEIC、今では世界160カ国、約14,000団体で受験するほどの規模に広がりを見せています。
しかしながら世界的にみると、英語試験の中でTOEICはマイナーで、IELTSやTOEFLの方が圧倒的に主流です。
また、TOEICはその生い立ちが日本発であるためか、受験者の60~70%は日本人と韓国人と言われています。
留学先のドイツでも聞いてみましたが、知っている人はゼロでしたし、現地で生活してTOEICは一度も見かけませんでした。(※ヨーロッパでは英語に限らずCEFRという共通の言語レベル分類があり、それがよく使われていました)
TOEICスコアは日本国内ではとても有効ですが、海外(特に欧米)ではほぼ通用しない、と考えています。
これはTOEICが作られた歴史から見ても
納得できるのではないかなと思います。
TOEICの効果的な活用方法
海外では通用しないからといって決して「意味がない」訳ではなく、その特徴を理解してうまく利用することが重要です。
例えば、次のように効果的に使うことができます。
英語学習の成果を数値化する方法として使う
TOEICは実生活やビジネスの場面をよく研究して作られている上に、妥当性・信頼性・公平性がしっかり担保されています。
ですので、あなたの日々の英語学習の成果を測る「モノサシ」として、TOEICスコアはとても有効です。
英語学習は挫折せず継続するのが難しく、学習した分成長している実感がないとなかなか続けられません。
TOEICスコアという形で自分の成長を数字で見ることができると、学習を継続するモチベーションに繋がります。
日本で英語力をアピールする方法として使う
海外では通用しないテストである一方、逆に言えば「日本ならすごく通用するテスト」とも言えます。
TOEICスコアは今も昔も、日本企業で英語力の指標として採用や昇進などに広く使われています。
つまり、TOEICで高得点を取れれば、日本企業で英語力をアピールしキャリアアップに使える優れた指標になります。
受験勉強のように対策すればある程度点数上げられるので、
TOEIC学習はとてもコスパの良い自己投資ですよ!
まとめ
今回は、TOEICが日本で大人気な理由を、その生い立ちをもとに解説し、TOEICの効果的な活用方法を提案しました。
TOEICは実は日本人が大きく関わって作られたテストであり、日本企業では大変重宝されますが、海外ではマイナーです。
しかし、学習の成果を測る指標として使えたり、日本企業で英語力をPRするのにとても有効なテストなので、その特徴を活かして効果的に使うことがおススメです。
なお僕はこのブログで、TOEICスコアの特徴もうまく使いながら英語を武器にして、独自の会社員キャリアを掴んでいく「英語系会社員2.0」という生き方を発信しています。
次の記事で、英語系会社員2.0についてより詳しく解説しているので、あなたらしいキャリアを切り拓きたい人は、ぜひチェックしてみてくださいね。
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