【実例つき解説】英語プレゼン準備を効率的に進めるためのテクニック集

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「英語でのプレゼンテーションが初めてで、どのように準備すれば良いのか全くわからないし時間がかかる。」
「スライドの実例があると助かるのだけど…」

普段から英語を学んでいる人は多くても、いつでも英語のプレゼンテーションの準備ができている人は少ないですよね。

それでもなぜか、英語プレゼンのする機会は何の前触れもなく急にやってきます。

僕も初めての英語プレゼンは1週間前に知らされ、海外出張の準備も急いでしないといけない中で、プレゼン準備にとてもあたふたました^^;

慣れていない人にとって、英語プレゼンの準備は簡単なものではありません。

中でも特にスライド作成は、あなたが伝えたい情報を整理して、視覚的に伝えるための重要ですが、準備に時間がかかり大変な作業です。

そこでこの記事では、英語プレゼンテーションに慣れていない人向けに、効率的にスライドを作成するためのテクニックと実例をご紹介します。

僕も元々は英語プレゼン経験ゼロでしたが、今では海外顧客への技術営業担当として、毎週のように英語プレゼンしていますし、年に数回は海外の学会や展示会でプレゼン機会もあります。

試行錯誤を繰り返しながらたどり着いた方法なので、あなたのプレゼンテーションのレベルアップに活用してもらえると嬉しいです!

このブログの管理人はこんな人
  • 英語を使って海外顧客相手に仕事する日系企業サラリーマン
  • もともと純ジャパ・海外経験なし、社畜生活で不眠症を経験
  • 自分を変えるべく独学で&国内で英語を習得、TOEIC950点
  • ドイツに研究留学して博士号取得、2024年から海外駐在へ
  • 英語で人生を豊かにする人を増やしたい!
目次

プレゼン資料作成前に取り掛かっておきたい2つのこと

プレゼンの準備をしないと!という状況になった時、あなたはまず何をしますか?いきなりスライド作成に取り掛かっていませんか?

実はプレゼンが英語であってもなくても、資料作成を効率よく進めるには「取りかかる前の準備」がとても重要です。

資料作成に入る前に考えておきたい準備は次の2つです。

プレゼン資料作成前に考えておきたい2つの準備
  1. プレゼンする相手は誰か?
  2. 最も伝えたいメッセージは何か?

プレゼンする相手は誰か?

プレゼン資料作成に入る前に考えておきたい準備の1つ目は「プレゼンする相手は誰か?」です。

プレゼンをするということは当然、話し手(プレゼンター)であるあなたと、聞き手である聴講者がいますよね。

そこで僕がプレゼン資料作成をする前に必ず意識しているのが次の言葉です。

「プレゼンとは、あなたと聴講者の認識の差を埋める手段である」

これはどういうことか、図に表すと次のようになります。

プレゼンターであるあなたは、何らかのトピックで人より進んだ知識・認識を持った状態にあります。

一方で聴講者は、あなたほどの進んだ知識・認識はない状態で、あなたのプレゼンテーションを聞きに来ます。

プレゼンターと聴講者には知識・認識の差がある中で、プレゼンの目的はあなたが持っているのと同等の知識・認識を聴講者に持ってもらうこと、つまりこの知識・認識の差を埋めることだということです。

これはあなたのプレゼンがどのような形でも、報告や提案であっても研究発表であっても、同じことが言えますよね。

これを実現するには、次のような情報が必要になります。

・聴講者はどのような背景で聞きに来ているか?
・聴講者はどんな知識/認識レベルを持っているか?

例えば僕の場合では、プレゼン作成の度に次のようなことを考えています。

今回は学会の研究発表だ、聴講者は関連分野に所属する人がほどんどだろう。技術的な背景は共通認識としてある程度省略しよう。

顧客に対して新商品を紹介をすることになった。相手はずっとやりとりのある担当者だし、既存製品を知っている前提で進めよう。

ずっとやりとりしてる重要顧客だけど、今回から担当者が変わったらしい。情報が引き継がれてないかもしれないな。既存商品や過去の取り組みのスライドも準備して、必要なら話せるようにしておこう。

このように、プレゼンの内容は相手によって変わり、スライドもそれに応じて作る必要があるので、スライド作成に入る前に「プレゼンする相手は誰か?」を必ず確認するようにしましょう。

最も伝えたいメッセージは何か?

プレゼン資料作成に入る前に考えておきたい準備の2つ目は「最も伝えたいメッセージは何か?」です。

最も伝えたいメッセージは、例えば相手の担当者が多忙でどうしてもプレゼン時間が取れない場合、「せめてこれだけは覚えて下さい!」と懇願するような時に発する内容です。

この記事の以下の章では、あなたの「メインメッセージ(結論・主張)」をいかに相手に伝えるか、ということ中心にプレゼン構成を考えていきます。

プレゼンの軸となる「最も伝えたいメッセージ」を、資料作成に取り掛かる前にしっかり考えておくのが大事です。

英語プレゼンテーションの構成は「出オチ」

日本では話の構成は、「起・承・転・結」とよく言われる通り、結論が最後に来ることが多いですよね。

物語や漫才と同じように、最後にインパクトの大きな「オチ」が待っている構成です。

英語のプレゼンも、同じような構成で作成してしまう日本人が大半なのですが、実は海外向けの話の構成は大きく異なります

海外のプレゼンの場合は「最初に結論が来る」のが大きく異なる点です。(漫才でいうと「出オチ」ですね!)

プレゼンの話の流れを横軸に、トピックの重要度やインパクトを縦軸にして図に表すと、次のようになります。

海外でのプレゼンの基本は①最初に結論を述べた後、②その結論をサポートする理由を説明し、③その例を示し、④最後にまた結論で締めくくる、というものです。

これをCREC法と呼び、以下の4つの構成要素の頭文字を取った言葉です。

① Conclusion:結論
② Reason:理由
③ Example:例
④ Conclusion:結論

海外向け英語プレゼンのテクニックとして紹介していますが、言語関係なくビジネスのプレゼン全般に使えますよ!

効率的なスライド作成の手順

僕が普段仕事で実践しているプレゼン作成の手順は、実は日本語でも英語でも大きくは変わりません。

最後に「スライドの言語をどちらにするか?」だけの違いで、その準備や手順はまったく同じです。

具体的には、以下の4つのステップに沿ってスライドを作成していきます。

効率的なスライド作成4ステップ
STEP
ピラミッド・ストラクチャーを固める

Conclusion(結論=主張)・Reason(理由=根拠)・Example(例)を因果関係でつなぐ

STEP
スライドの骨子を決める

ピラミッド・ストラクチャーの要素を配置したスライドを並べて骨子を固める

STEP
肉付けする

「スライドに語らせる」よう、完成度を高めていく

STEP
見た目やボリュームを整える

プレゼンの時間に合わせてボリュームを調整する

ここから先、「論理的思考力」がとても重要になります!

Step1. ピラミッド・ストラクチャーを固める

グロービス・ライブラリー【超図解】クリティカル・シンキングとは より引用

まずあなたのメッセージを伝えるための骨格(アウトライン)を考えましょう。

ここで重要になるのがピラミッド・ストラクチャーというものです。

まずあなたのプレゼンのConclusion(結論=主張)・Reason(理由=根拠)・Example(例)をそれぞれ、簡潔な言葉で考えてみてください。

そしてそれを、上から「主張-根拠-例」となるように積み重ねていき、因果関係を線で繋いで1つの図を作成します。

上の図のグロービスの例を引用すると、例えば次のようになります。

この図1つで、あなたの主張を支える根拠が3つあり、それぞれの根拠に例が1つずつある、という階層構造を表すもので、ピラミッド・ストラクチャーと呼ばれるものです。

根拠と例は豊富にあった方が主張がより強く支えられるので、通常は下に行くほど数が増えて横に広がることから、三角形(ピラミッド型)になります。

あなたのプレゼンでも最初にこのピラミッド・ストラクチャーを固めておくと、スライド作成がとても効率的に進むだけでなく、プレゼン発表そのものも論理的に話すことができるので、とても重要なステップです。

Step2. スライドの骨子を決める

グロービス・ライブラリー【超図解】クリティカル・シンキングとは より引用

ピラミッド・ストラクチャーを固めることができたら、次にスライドの骨子を決めます。

スライドの骨子を決めてから資料作成に取り掛かると、手戻りが最小化されて短時間で質の高い資料を作ることができるので、とても効率的です。

僕のおススメは、先ほど考えたピラミッド・ストラクチャーの各要素を、それぞれのスライドに書いておくことです。

これはどういうことか、図にすると次のようになります。

このようにピラミッド・ストラクチャーの要素を各スライドに先に書いておき、「このスライドで言いたいこと」を固めておくというやり方です。

各スライドでたどり着くゴールをあらかじめ書いておくことで、プレゼン全体の構成を崩さず、個別のスライド作成に取り掛かることができるのです。

資料作成でよくありがちな、「スライドを作りこんでいるうちに構成がおかしくなってしまった・・・」というのを防げるので、後戻りすることなくスライド作成を効率的に進められます。

Step3. 肉付けする

肉付けとは、それぞれのスライドで伝えたいことをサポートするデータや情報を、直観的に理解しやすい形で追加していくステップです。

ここで僕が意識しているのは、「スライドに語らせる」ということです。

これは言い換えると、プレゼンターが説明しなくても言いたいことが伝わるようにするということです。

実例として、スライド4ページ目の「6年の実務経験があり、他の部員より長い」であれば、次のようになっているとメッセージが一目で分かりますよね!

このように、各スライドの「ゴール」に繋がるような情報を、聴講者が直観的に理解しやすい形で足していきましょう。

ちなみに:適切な肉付けができるとこんな状況にも対応できます!

出席していない会議のプレゼン資料が回ってきて、「この資料で何を言いたいんだ?」と思った経験はありませんか?

同じようにあなたがプレゼンで使ったスライドが、プレゼンの場にいなかった人に転送されることもあります。

こんな時にもスライドが「見れば伝わる」ようになっていれば、しっかり主張と根拠が伝わるので理想的ですよね!

Step4. 見た目やボリュームを整える

最後に、見た目やボリュームなどのディテールを整えます。

何も考えずにスライドを作り始める人は、最初から細かい部分にこだわってしまい、後戻りが多発します。

スライド作成を効率的に進めるためには、「先に骨子を固めてディテールは最後」が鉄則です。

でもプレゼンには持ち時間があるので、Step1で固めたピラミッド・ストラクチャーのすべてをプレゼンに盛り込むことはできないかもしれません

その場合は、ピラミッド・ストラクチャーの中から話す部分を抜粋して、使わないスライドを削って調整をします。

話す部分の抜粋の仕方は、例を省略して主張と根拠のみを説明する場合や、主張に対して特定の根拠と例のセットを説明する場合など、ケースバイケースです。

あなたのプレゼンの場に合わせて、説明する内容を選んでくださいね。

ここで使わなくなったスライドも、質疑応答で使う可能性が高いので、補足スライドとして持っておきましょう。

スライド作成が無駄だったという訳ではありません!
予備スライド作成も大事な準備の1つです。

スライドで気を付けておきたい英語表現

ここまでの作成手順は日本語でも英語でも同じですが、英語プレゼンを作る場合は、スライドの英語表現に特に気を配りましょう。

スライドに解説などを入れる時は、文章全文を入れるのではなく、キーワードやフレーズのみで簡潔に表現します。

海外の学会や展示会などで、説明文章が長々と書いてあるスライドを使って、ただそれを読み上げるスタイルの日本人のプレゼンを本当によく見かけます。

英語で話す不安からか、話す原稿そのものをスライドに書いてしまうのだと思いますが、それでは聴講者にはメッセージが伝わりません

スライドに載せるキーワードやフレーズは、特に次の3つの項目について記載するようにしましょう。

それぞれ具体例を使いながら解説していきます。

英語スライド作成で気を付けたい3つの項目
  1. 使う単語を揃える
    • 品詞を揃える
    • レベル感を揃える
  2. 文章の形を揃える
    • 長さやスペースを揃える
    • 補足説明を揃える
  3. 理解しやすくする
    • 大文字表記で見やすくする
    • 綴りを揃える

使う単語を揃える

スライドで使う単語は、その品詞やレベル感を揃えましょう

使う単語が揃っていない例と、揃っている理想的な例を対比すると、次のようになります。

△ 良くない例

My morning routine: coffee, checking emails, and to chat with colleagues

〇 良い例

My morning routine:
✓Drinking Coffee
✓Checking Emails
✓Communicating with Colleagues

品詞を揃える

良くない例では、名詞の「coffee」、動名詞の「checking emails」、そしてto不定詞の「to chat」から成り立っています。

これらは異なる品詞であり、同じ文章内で使われると不揃いな印象になるので、良い例のように品詞を統一しましょう。

レベル感を揃える

良くない例では、カジュアルな場で使う単語(chatなど)が含まれており、他の単語とレベル感が異なります。

良い例のようにビジネスの場にあった単語を選び、レベル感を統一しましょう。

文章の形を揃える

使う単語に加えて、文章の形も揃えるようにしましょう。

文章の形が揃っていない例と、揃っている理想的な例を対比すると、次のようになります。

△ 良くない例

✓Project overview
  Confirm goal and current progress.
✓Next step
 Discuss next milestone.

Reviewing remaining budget and forecast

〇 良い例

✓Project Overview
  Confirm goal and current progress.
✓Next Step
 Discuss next milestone.
Budget Management

 Review remaining budget and forecast.

長さやスペースを揃える

良くない例では、3番目の見出しだけ他より長い上に、2番目と3番目の見出しの間に不自然なスペースがあり、全体を通してバラバラな印象を与えてしまいます。

良い例のように、すべてが大体同じ長さで、同じような間隔で揃っているのが理想です。

補足説明を揃える

良くない例では、1番目と2番目の見出しには補足説明がありますが、3番目の見出しにはありません。

見出しに補足説明を加える場合は、良い例のように必ずすべての項目に説明をつけるようにしましょう。

理解しやすくする

単語の選定と文章の形が揃ったら、最後に聞き手にとって理解しやすい形に整えます。

大文字表記で見やすくする

冠詞(「a」や「the」など)、前置詞(「in」や「though」など)、および特定の接続詞(「and」「but」「for」「or」「nor」)は、スライド中ではあまり意味を持たないので、目立たせる必要はありません

下の比較の大文字表記のように、これらの冠詞や前置詞、接続詞以外のすべての単語の最初の文字を大文字で表記すると、見る人にとって理解しやすくなります。

通常の表記

✓Analyze the market
✓Negotiate with suppliers

大文字表記

✓Analyze the Market
✓Negotiate with Suppliers

綴りを揃える

アメリカ英語とイギリス英語では、同じ意味でも別の単語を使う場合や、同じ単語でも表記が異なる場合などがあるので、スライド全体を通してどちらかに統一しましょう。

アメリカ英語をイギリス英語に変換するには、InfoEnglish.netというオンラインツールが便利です。

アメリカ英語とイギリス英語とで異なる単語としては、例えば次のようなものがあります。

アメリカ英語イギリス英語
analyzeanalyse
centercentre
gaspetrol
elevatorlift

まとめ

この記事では、英語プレゼンテーションの構成や、効率的にスライドを作成するテクニックと実例をご紹介しました。

手戻りなく効率的にプレゼン資料を作成するには、取り掛かる前の「準備」がとても大事で、「先に骨子を固めてディテールは最後」が鉄則ですよ!

なお、英語プレゼンができる日本人は本当に少ないので、抵抗なく完遂できる人材は特に日系企業で重宝されます。

これは見方を変えると、英語プレゼンテーションスキルは、あなたの武器になるということです。

このブログでは、英語を武器に会社員として理想のキャリアを掴んでいく「英語系会社員2.0」という生き方やノウハウを発信しています。

次の記事で、英語系会社員2.0についてより詳しく解説しているので、英語を武器にしてキャリアアップしたい人は、ぜひチェックしてみてくださいね。

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