シャドーイングの効果が出るまでの期間を最短に！やり方のポイントを解説

このような悩みを持つ英語学習者は少なくないと思います。

シャドーイングは、数ある英語学習法の中でもリスニング力を上げるのに特に効果的な練習法ですが、負荷が高くて最初は難しいですよね。

でも正しいやり方で取り組むと、短期間でリスニング力がアップするだけでなく、発音が良くなるという効果も期待できます。

この記事では、シャドーイングとは何か、そのメリットや種類と、効果が出るまでの期間を最短にするポイントについて解説します。

これからシャドーイングを始める人や、もう一度シャドーイングについて学び直したい人は、ぜひ参考にしてくださいね！

シャドーイングとは？

シャドーイングとは、聞いた英文を少しタイミングをずらして同じように言葉に発するトレーニング方法で、主にリスニング力を伸ばすトレーニングです。

この「シャドーイング」という名前は、聞こえてくる英文を影（Shadow）のように追いかけて喋るというトレーニング方法に由来しています。

その名前の由来の通り、教材となる英語の音声からだいたい１～２語くらい遅れて、自分の口から同じ速さ・同じ内容・同じ発音で発するようにします。

シャドーイングを図にして、教材からの音声とあなたが発する音声との関係を表すと次のようになります。

聞いた音をすかさず口に出す必要がある上に、自分が口に出している間にも次の音を聞く必要があり・・・と脳内が忙しくとても高負荷で大変です。

しかし、この高負荷についていくため、流れてくる音に本気で集中することで、音声をより細部まで聞き取ろうとするようになり、リスニング力アップに繋がります。

シャドーイングの３つ効果

シャドーイングの練習をする効果は、大きく分けて次の３つあります。

リスニングの瞬発力が上がる

シャドーイングの練習をするメリットの１つ目はリスニングの瞬発力が上がるです。

英語初心者のうちに英会話レッスンや実際の英会話でよく出くわす、次のような場面を減らせます。

なぜリスニングの瞬発力が上がるのかの説明の前に、まずは英語初心者の場合と英語上級者の場合とで、英語リスニング中に起こっていることを図示した次の比較を見てください。

リスニングでは、相手が発した言葉（音）から意味を理解していくのですが、ここで英語初心者は聞いた英語を一度日本語に変換して理解します。

でもこれだと、英語から日本語への変換に時間がかかってしまい、実際の会話ではスムーズにやりとりができません。

一方で英語上級者やネイティブスピーカーは、拾った英語の音から直接、意味を理解しています。

シャドーイングを続けると、まず英語の音を拾う力がつき、更に上達すると、音を拾うと同時に瞬時に意味を理解する力がつきます。

その結果、聞いた英語を瞬間的に、頭の中で直接イメージに変換できるようになることで、リスニングの瞬発力が上がるのです。

発音や単語の練習になる

シャドーイングの練習をするメリットの２つ目は発音や単語の練習にもなるです。

シャドーイングは主にリスニング力を上げるトレーニングではあるのですが、教材の英文と発音をマネて言葉に発するので、自然と発音やアクセントが良くなる効果も期待できます。

それだけでなく、教材の英語例文を精読するプロセスが含まれるので

という単語の学びにもなり、ただ単語だけをひたすら覚えるよりも、より実践的な場面で、使える形で単語を身に付けることができます。

スピーキングの練習になる

シャドーイングの練習をするメリットの３つ目はスピーキングの練習になるです。

英文には英語独特のリズムがあり、そのリズムで聞き手にとっての聞きやすさも変わってきますが、そのリズムはシャドーイングで英文をマネすることで練習できるのです。

この独特のリズムを習得できていると、実際の英会話でも相手に伝わりやすくなります。

シャドーイングの効果が出るまでの期間は平均3カ月程度

シャドーイングを続けると、以下の順番でリスニング力がアップし、結果としてリスニングの瞬発力が上がります。

１．「英語の音を拾う力」がつく
２．「瞬時に意味を理解する力」がつく

その効果を感じられるまでの期間は、個人差もありますし練習時間にもよりますが、平均して3カ月程度と言われています。

日本語と異なる英語の音を拾って意味に変換したり、英語独特のリズムや音の消失・変化に慣れたりするのには、どうしても時間がかかってしまうからです。

すぐに効果が出るわけではないという意識を持って、特に最初は正しい方法で継続することが大事です。

シャドーイングの効果を早く感じるためのポイント

効果が出るのに時間がかかってしまうシャドーイングですが、その効果を早く感じるポイントは次の２つです。

・あなたのレベルに合った適切なトレーニング方法を選ぶこと
・その練習の目的をしっかり意識してトレーニングに取り組むこと

シャドーイングのトレーニング方法は、細かく分けるといくつか種類あり、それぞれ目的とする効果や難易度が異なるので、あなたのレベルに合った方法を選び、目的を理解して取り組むことが大事です。

ここで、英語リスニングのプロセスをより細かく分解し、トレーニング法との関係性を示した次の図を見てみましょう。

リスニングは、細かく分けるとまず①英語の音を拾い、②英語の意味を理解する、という２ステップになっていて、リスニングのトレーニングも、それらのステップに合わせて使い分けます。

例えば、①の「英語の音を拾う力」をつける目的ではプロソディシャドーイングが効果的ですし、一方で②の「音を拾って理解する力」をつける目的ではコンテンツシャドーイングが効果的です。

プロソディシャドーイング

プロソディシャドーイング（Prosodic Shadowing）とは、英語の音を拾うことを目的としたトレーニングです。

プロソディ（Prosodic）＝韻律という意味で、音に加えてリズムやイントネーションも含めて教材となる音源のマネをします。

あくまで「音を拾ってマネする」トレーニングなので、内容（意味）の理解までできなくても大丈夫です。

次の記事で、プロソディシャドーイングとそのコツについてより詳しく解説しているので、ぜひチェックしてくださいね。

コンテンツシャドーイング

コンテンツシャドーイング（Content Shadowing）とは、意味を理解することを目的としたトレーニングです。

コンテント（Content）＝内容という意味で、聞こえてくる英語の音を拾うだけだけでなく、その文構造や意味までも理解しながら教材となる音源のマネをします。

元々シャドーイングはそれ自体が元々難易度の高いトレーニングなのですが、図の通りより広範囲をカバーするコンテンツシャドーイングは更に高難易度です。

というのも、先に「音を拾う力」が十分ついてないと、そのあと意味を理解するのに使う時間を十分にとれないからです。

次の記事で、コンテンツシャドーイングとそのコツについてより詳しく解説しているので、ぜひチェックしてくださいね。

リピーティング

リピーティング（Repeating）とは、音と意味を結びつけることを目的としたトレーニングです。

リピート（Repeat）＝繰り返すという名の通り、音源となる英語を、適当な範囲で区切りながら復唱します。

先ほどの図の通り、ちょうどプロソディシャドーイングとコンテンツシャドーイングの間を担ってくれるトレーニングの位置付けです。

という学習者には、リピーティングを取り入れることをオススメします。

次の記事で、リピーティングとそのコツについてより詳しく解説しているので、ぜひチェックしてくださいね。

おススメのステップアップ

これらをまとめると、僕がおススメするシャドーイングのステップアップは次のようになり、いきなり全部をやろうとするのではなく段階を踏んで少しずつステップアップしていくことをオススメします。

まとめ

今回の記事では、シャドーイングとは何か、そのメリットや種類と、効果が出るまでの期間を最短にするポイントについて解説しました。

シャドーイングにより、リスニングの瞬発力が上がるだけでなく、単語や発音、更にはスピーキングの練習にもなるというメリットがあります。

一見難しいシャドーイングですが、あなたのレベルに合った方法を選び、目的を理解して取り組むことで、効果が出るまでの期間を最短化しましょう。

尚、英会話上達のためには、シャドーイングによるリスニング力アップだけではなく、瞬間英作文による文章構築力、更にそれらを支える基礎力など、上達に向けて何が必要か？を理解しながら学習を進めることが大事です。

次の記事で、英会話学習の全体像について詳しく解説していますので、ぜひチェックしてあなたにあった学習計画を立ててくださいね。