シャドーイングって具体的に何をどうすればいいの?
シャドーイングは効果あるの?効果が出るまでどれくらいかかる?
このような悩みを持つ英語学習者は少なくないと思います。
シャドーイングは、数ある英語学習法の中でもリスニング力を上げるのに特に効果的な練習法ですが、負荷が高くて最初は難しいですよね。
でも正しいやり方でステップアップすると、リスニング力は短期間でアップする上に、発音が良くなる効果もあります。
この記事では、シャドーイングのメリットや種類、練習のポイントについて解説します。
シャドーイングの効果を早く感じたい人は、ぜひ参考にしてくださいね!
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シャドーイングとは?
シャドーイングは主にリスニング力を伸ばすトレーニングで、聞いた英文を、少しタイミングをずらして同じように言葉に発するトレーニング方法です。
聞こえてくる英文を影(Shadow)のように追いかけて喋るという名前の由来の通り、教材となる音声からだいたい1~2語くらい遅れて、自分の口から同じ速さ・同じ内容・同じ発音で発するようにします。
教材からの音声と、あなたが発する音声との関係を図にすると次のようになります。
聞いた音をすかさず口に出す必要がある上に、自分が口に出している間にも次の音を聞く必要があり・・・と脳内が忙しくとても高負荷で大変です。
しかし、この高負荷についていくため、流れてくる音に本気で集中することで、音声をより細部まで聞き取ろうとするようになり、リスニング力アップに繋がります。
シャドーイングの効果が出るまでの期間は平均3カ月程度
シャドーイングを続けると、以下の順番でステップアップし、効果としてリスニングの瞬発力が上がります。
1.「英語の音を拾う力」がつく
2.「瞬時に意味を理解する力」がつく
その効果を感じられるまでの期間は、個人差もありますし練習時間にもよりますが、平均して3カ月程度と言われています。
日本語と異なる英語の音を拾って意味に変換したり、英語独特のリズムや音の消失・変化に慣れたりするのには、どうしても時間がかかってしまうからです。
すぐに効果が出るわけではないという意識を持って、特に最初は正しい方法で継続することが大事です。
シャドーイングのトレーニングには基礎力が必要
シャドーイングは、聞こえてくる音を正しく認識・発声する「発音力」と、その意味を理解するのに「単語力」と「文法力」と、英語の基礎となる3要素のすべてを高度に鍛えられる効果的なトレーニング方法です。
見方を変えると、これら基礎の3要素(中でも特に発音)をしっかり学んでいることが前提となるトレーニング法とも言えます。
なのでこのシャドーイングは、下の学習ステップの図のように、基礎練習の土台の上にある「応用練習」に分類されます。
またシャドーイングは、上達するとリスニングの瞬発力が上がります。
実際の英会話でも、会話のキャッチボールは瞬間的に絶えず続きますので、シャドーイングはとても実践に近い練習と言えます。
なのでこのシャドーイングは、先ほどの図のように応用練習の下に分類されます。
結果として図のように、基礎練習と実践練習の間というポジションになり、基礎練習で鍛えた3要素を実践で使えるようにするトレーニングになるのです。
いかがでしょうか、ここまで解説をみて
難しすぎる・・・自分にはムリだ
と思った学習者もいるかもしれませんが、安心してください。
いきなりこの作業のすべてをやるわけではありません、と言いますか不可能です^^;
シャドーイングは、段階を踏んで少しずつステップアップしていくのがコツです。
詳しくは記事の後半で解説しますので、最後まで読んで下さいね!
シャドーイングの練習をする3つのメリット
シャドーイングの練習をするメリットは、大きく分けて次の3つあります。
- リスニングの瞬発力が上がる
- 単語や発音の練習にもなる
- スピーキングの練習にもなる
リスニングの瞬発力が上がる
シャドーイングの練習をするメリットの1つ目は「リスニングの瞬発力が上がる」です。
まずはリスニングのプロセスを分解した次の図を見てください。
リスニングでは、相手が発した英語から意味を理解していくのですが、ここで英語初心者は聞いた英語を一度日本語に変換して理解します。
でもこれだと、英語から日本語への変換に時間がかかり、実際の会話ではスムーズにやりとりができませんよね。
一方で英語上級者やネイティブスピーカーは、拾った英語の音から直接、意味を理解しています。
英語初心者に比べて、英語リスニングの瞬発力が高いのはそのためです。
詳しくは記事後半で解説しますが、シャドーイングを続けると、まず「英語の音を拾う力」がつきます。
そして更に上達すると、音を拾うと同時に「瞬時に意味を理解する力」がつきます。
その結果、聞いた英語を瞬間的に、頭の中でイメージに変換できるようになりますので、リスニングの瞬発力が上がります。
英会話レッスンや実際の英会話でよく出くわす
最初の方は聞き取れたけど、理解が追い付かない!
考えている間に次から次へと英文が襲ってくる!
といった場面を減らせますよ。
発音や単語の練習にもなる
シャドーイングの練習をするメリットの2つ目は「発音や単語の練習にもなる」です。
シャドーイングでは教材の英文と発音をマネて言葉に発するので、自然と発音やアクセントが良くなります。
それだけでなく、教材の英語例文を精読することで
この単語ってこういう場面で使うんだ!
という単語の学びにもなりますよね。
ただ単語だけをひたすら覚えるよりも、より実践的な場面で、使える形で単語を身に付けることができます。
スピーキングの練習にもなる
シャドーイングの練習をするメリットの3つ目は「スピーキングの練習にもなる」です。
英文には英語独特のリズムがあり、そのリズムで聞き手にとっての聞きやすさも変わってきます。
つまりリズムはスピーキング力の一部であり、そのリズムはシャドーイングで英文をマネすることで練習できます。
この独特のリズムを習得できていると、実際の英会話でも相手に伝わりやすくなります。
シャドーイングの種類とステップアップ
シャドーイングは細かく分けると次のように2種類あり、それぞれ目的とする効果や難易度が異なります。
- プロソディシャドーイング(Prosodic Shadowing):英語の音を拾うトレーニング
- コンテンツシャドーイング(Content Shadowing):意味を理解するトレーニング
では「英語の音を拾う」と「意味を理解する」とは具体的にどういうことでしょうか?
英語リスニングのプロセスをより細かく分解し、トレーニング法との関係性を示した次の図を見てください。
リスニングは、細かく分けるとまず①英語の音を拾い、②英語の意味を理解する、という2ステップになっています。
トレーニングも、それらのステップに合わせて使い分けます。
例えば、①の「英語の音を拾う力」をつける目的ではプロソディシャドーイングが効果的ですし、一方で②の「音を拾って理解する力」をつける目的ではコンテンツシャドーイングが効果的です。
ここで、シャドーイングはそれ自体が元々難易度の高いトレーニングなのですが、図の通りより広範囲をカバーするコンテンツシャドーイングは更に高難易度です。
というのも、先に「音を拾う力」がついてないと、そのあと意味を理解するのに使う時間を十分にとれないからです。
コンテンツシャドーイングが難しすぎる!!
という学習者には、僕は「音と意味を結びつける力」をつける目的の「リピーティング」を取り入れることをおススメします。
リピーティングは図の通り、ちょうどプロソディシャドーイングとコンテンツシャドーイングの間を担ってくれるイメージです。
これらをまとめると、僕がおススメするシャドーイングのステップアップは次のようになり、いきなり全部をやろうとするのではなく段階を踏んで少しずつステップアップしていくのがコツです。
それぞれのトレーニング方法についてのやり方やコツについて解説したリンクも載せているので、詳しく知りたい方はぜひチェックして下さいね。
次のコンテンツシャドーイングが苦にならない方はこのステップは無視してもOKです
シャドーイングのまとめです。難しい場合はSTEP1とSTEP2に戻りましょう
まとめ
今回は、シャドーイングの種類やメリット、ステップアップ方法について解説しました。
ポイントを意識してシャドーイングでしっかりトレーニングを積めば、リスニングの瞬発力アップと発音良化につながり、実践練習である英会話レッスンや本番の英会話の土台になります。
一方でシャドーイングは、応用練習という位置づけが示す通り、基礎がしっかり固まっていないとその期待効果は薄いです。
効率的に英語を習得するためには、基礎から応用、そして実践まで、英語習得の全体像の中であなたの課題にあったトレーニングを選ぶことが大事です。
次の記事で、あなたの課題の特定して効率的に学習計画を立てる方法について解説しているので、トレーニングメニューが適切か気になる方はぜひチェックしてくださいね!
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