「シャドウイングって具体的に何をどうすればいいの?」
「シャドウイングってどんな効果があるの?」
このような悩みを持つ英語学習者は少なくないと思います。
シャドウイングは、数ある英語学習法の中でもリスニング力を上げるのに特に効果的な練習法ですが、負荷が高くて初心者には難しいですよね。
でも、正しいやり方でステップアップし、慣れるまで繰り返しトレーニングすると、リスニング力は確実にアップします。
この記事では、初心者向けにシャドウイングの種類やメリット、ステップアップポイントについて解説します。
シャドウイングの効果を上げたい人は、ぜひ参考にしてくださいね!
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- 社畜生活で不眠症を経験、自分を変えるべく英語学習を開始
- 純ジャパ・海外経験なしでも国内で英語を習得、TOEIC950点
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シャドウイングとは?
シャドウイングは主にリスニング力を伸ばすトレーニングで、聞いた英文を、少しタイミングをずらして同じように言葉に発するトレーニング方法です。
僕がこのブログで解説する英会話のトレーニングには、基礎練習、応用練習、実践練習と3種類ありますが、シャドウイングは応用練習の1つです。
聞こえてくる英文を影(Shadow)のように追いかけて喋るという名前の由来の通り、教材となる音声からだいたい1~2語くらい遅れて、自分の口から同じ速さ・同じ内容・同じ発音で発するようにします。
教材からの音声と、あなたが発する音声との関係を図にすると次のようになります。

聞いた音をすかさず口に出す必要がある上に、自分が口に出している間にも次の音を聞く必要があり・・・と脳内が忙しくとても大変です。
しかし大変だからこそ、流れてくる音に本気で集中しないとついていけない高負荷なトレーニングでもあります。
この高負荷があるからこそ、音声をより細部まで聞き取ろうとするようになり、リスニング力アップに繋がります。
シャドウイングを続けると、まず「英語の音を拾う力」がつき、そして更に上達すると、音を拾うと同時に「瞬時に意味を理解する力」がつき、結果としてリスニングの瞬発力が上がります。
このトレーニングでは、聞こえてくる音を正しく認識・発声する「発音力」と、その意味を理解するのに「単語力」と「文法力」と、基礎練習で鍛えた3要素のすべてを高度に鍛えられる、とても効果的なトレーニング方法です。
見方を変えると、基礎練習でこれら3要素(中でも特に発音)をしっかり学んでいることが必要となるトレーニング法とも言えます。
なのでこのシャドウイングは、下の学習ステップの図のように、基礎練習の土台の上にある「応用練習」に分類されます。

またシャドウイングは、上達するとリスニングの瞬発力が上がります。
実際の英会話でも、会話のキャッチボールは瞬間的に絶えず続きますので、シャドウイングはとても実践に近い練習と言えます。
なのでこのシャドウイングは、先ほどの図のように応用練習の下に分類されます。
結果として図のように、基礎練習と実践練習の間というポジションになり、基礎練習で鍛えた3要素を実践で使えるようにするトレーニングになるのです。
いかがでしょうか、ここまで解説をみて
難しすぎる・・・自分にはムリだ
と思った学習者もいるかもしれませんが、安心してください。
いきなりこの作業のすべてをやるわけではありません、と言いますか不可能です^^;
シャドウイングは、段階を踏んで少しずつステップアップしていくのがコツです。
詳しくは記事の後半で解説しますので、最後まで読んで下さいね!
シャドウイングの練習をする3つのメリット
シャドウイングの練習をするメリットは、大きく分けて次の3つあります。
- リスニングの瞬発力が上がる
- 単語や発音の練習にもなる
- スピーキングの練習にもなる
リスニングの瞬発力が上がる
シャドウイングの練習をするメリットの1つ目は「リスニングの瞬発力が上がる」です。
まずはリスニングのプロセスを分解した次の図を見てください。

リスニングでは、相手が発した英語から意味を理解していくのですが、ここで英語初心者は聞いた英語を一度日本語に変換して理解します。
でもこれだと、英語から日本語への変換に時間がかかり、実際の会話ではスムーズにやりとりができませんよね。
一方で英語上級者やネイティブスピーカーは、拾った英語の音から直接、意味を理解しています。
英語初心者に比べて、英語リスニングの瞬発力が高いのはそのためです。
詳しくは記事後半で解説しますが、シャドウイングを続けると、まず「英語の音を拾う力」がつきます。
そして更に上達すると、音を拾うと同時に「瞬時に意味を理解する力」がつきます。
その結果、聞いた英語を瞬間的に、頭の中でイメージに変換できるようになりますので、リスニングの瞬発力が上がります。
英会話レッスンや実際の英会話でよく出くわす
最初の方は聞き取れたけど、理解が追い付かない!
考えている間に次から次へと英文が襲ってくる!
といった場面を減らせますよ。
発音や単語の練習にもなる
シャドウイングの練習をするメリットの2つ目は「発音や単語の練習にもなる」です。
シャドウイングでは教材の英文と発音をマネて言葉に発するので、自然と発音やアクセントが良くなります。
それだけでなく、教材の英語例文を精読することで
この単語ってこういう場面で使うんだ!
という単語の学びにもなりますよね。
ただ単語だけをひたすら覚えるよりも、より実践的な場面で、使える形で単語を身に付けることができます。
スピーキングの練習にもなる
シャドウイングの練習をするメリットの3つ目は「スピーキングの練習にもなる」です。
英文には英語独特のリズムがあり、そのリズムで聞き手にとっての聞きやすさも変わってきます。
つまりリズムはスピーキング力の一部であり、そのリズムはシャドウイングで英文をマネすることで練習できます。
この独特のリズムを習得できていると、実際の英会話でも相手に伝わりやすくなります。
シャドウイングの種類とステップアップ
シャドウイングは細かく分けると次のように2種類あり、それぞれ目的とする効果や難易度が異なります。
- プロソディシャドウイング(Prosodic Shadowing):英語の音を拾うトレーニング
- コンテンツシャドウイング(Content Shadowing):意味を理解するトレーニング
では「英語の音を拾う」と「意味を理解する」とは具体的にどういうことでしょうか?
英語リスニングのプロセスをより細かく分解し、トレーニング法との関係性を示した次の図を見てください。

リスニングは、細かく分けるとまず①英語の音を拾い、②英語の意味を理解する、という2ステップになっています。
トレーニングも、それらのステップに合わせて使い分けます。
例えば、①の「英語の音を拾う力」をつける目的ではプロソディシャドウイングが効果的ですし、一方で②の「音を拾って理解する力」をつける目的ではコンテンツシャドウイングが効果的です。
ここで、シャドウイングはそれ自体が元々難易度の高いトレーニングなのですが、図の通りより広範囲をカバーするコンテンツシャドウイングは更に高難易度です。
というのも、先に「音を拾う力」がついてないと、そのあと意味を理解するのに使う時間を十分にとれないからです。
コンテンツシャドウイングが難しすぎる!!
という学習者には、僕は「音と意味を結びつける力」をつける目的の「リピーティング」を取り入れることをおススメします。
リピーティングは図の通り、ちょうどプロソディシャドウイングとコンテンツシャドウイングの間を担ってくれるイメージです。
これらをまとめると、僕がおススメするシャドウイングのステップアップは次のようになります。
まずは英語の音を素早く拾えるようにします
次のコンテンツシャドウイングが苦にならない方はこのステップは無視してもOKです
シャドウイングのまとめです。難しい場合はSTEP1とSTEP2に戻りましょう
このようにシャドウイングはいきなり全部をやろうとするのではなく、段階を踏んで少しずつステップアップしていくのがコツです。
まとめ
今回は、シャドウイングの種類やメリット、ステップアップ方法について解説しました。
シャドウイングは初心者には少し難しいトレーニング法ですが、リスニングの瞬発力アップと発音にはとても効果的なトレーニングなので、諦めず何度も繰り返しながら少しずつ上達していきましょう。
シャドウイングは、プロソディシャドウイングとコンテンツシャドウイング、場合によっては更にリピーティングを、あなたのレベルや適正に合わせて組み合わせるのがおススメです。
次の記事で、それぞれのトレーニング方法についてのやり方やコツについて解説しているので、ぜひチェックしてみて下さいね。
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