リスニングで瞬時に意味を理解するにはどうしたらいいですか?
シャドウイングをやったけど、リスニングの瞬発力が上がりません…
今回は、そんなお悩みにお答えします!
シャドーイングは、数ある英語学習法の中でもリスニング力を上げるのに特に効果的な練習法ですが、負荷が高くて初心者には難しいですよね。
いきなり全部をやろうとすると混乱するので、段階を踏んで少しずつステップアップしていくのがコツです。
そこでこの記事では「コンテンツシャドーイング」という、シャドーイングの中でも応用編の手法のやり方やコツについて解説します。
コンテンツシャドーイングは英語の音を拾えることを前提に、さらにその文構造や意味も瞬時に理解する高度なトレーニング法です。
シャドーイングが初めてだよという方は、まずは次の記事を参考に全体像を把握してくださいね。
- 英語を使って海外顧客相手に仕事する日系企業サラリーマン
- もともと純ジャパ・海外経験なし、社畜生活で不眠症を経験
- 自分を変えるべく独学で&国内で英語を習得、TOEIC950点
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コンテンツシャドーイングとは
コンテンツシャドーイング(Content Shadowing)とは、英語の意味を瞬時に理解することを主な目的としたトレーニングです。
“シャドーイング”から順に解説しますと、聞こえてくる英文を影(Shadow)のように追いかけて喋ることがシャドーイング(Shadowing)という名前の由来です。
具体的には、教材となる音声からだいたい、1~2語くらい遅れて自分の口から同じ速さ・同じ内容・同じ発音で発するようにします。
教材からの音声と、あなたが発する音声との関係を図にすると次のようになります。
聞いた音をすかさず口に出す必要がある上に、自分が口に出している間にも次の音を聞く必要があり・・・と脳内が忙しくとても大変です。
しかし大変だからこそ、流れてくる音に本気で集中しないとついていけない高負荷なトレーニングでもあります。
この高負荷があるからこそ、音声をより細部まで聞き取ろうとするようになり、リスニング力アップに繋がります。
その中でもコンテンツシャドーイングは、コンテント(Content)=内容という意味で、聞こえてくる英語の音を拾うだけだけでなく、その文構造や意味までも理解しながら、教材となる音源のマネをします。
「音を聞く」「口に出す」というプロセスに加えて「意味を理解する」プロセスまで加わり、とても難易度が高いと想像できますよね^^;
実際とても難易度が高いので、場合によっては「リピーティング」という別のトレーニングとも組み合わせながら徐々にステップアップしていきます。
コンテンツシャドーイングの効果
コンテンツシャドーイングを行うと、「英語の意味を理解する力」をつけることができます。
英語リスニングのプロセスをより細かく分解し、トレーニング法との関係性を示した次の図を見てください。
リスニングは、細かく分けるとまず①英語の音を拾い、②英語の意味を理解する、という2ステップになっています。
このなかでコンテンツシャドーイングは、②の「英語の意味を理解する力」をつける目的のトレーニングとして効果的です。
①の英語の音を拾う目的のトレーニングとしては、プロソディシャドーイングが効果的です。
ここで図の通り、コンテンツシャドーイングはプロソディシャドーイングよりも更に広範囲をカバーしており、高難易度になります。
というのも、コンテンツシャドーイングでは「音を拾って意味を理解する」までを行うので、先に「音を拾う力」がついてないと、意味を理解するのに使える時間がなくなるからです。
ですので、コンテンツシャドーイングを始める前に、まずはプロソディシャドーイングで「音を拾う力」をしっかりつけておくことが重要です。
プロソディシャドーイングについては、次の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
コンテンツシャドーイングのステップアップ
コンテンツシャドーイングは、「聞く」と「喋る」に加え「理解する」を同時に行うマルチタスクなので、脳内が忙しくとても大変です。
初心者にはいきなり全部やるのは難しく挫折に繋がりやすいので、徐々にステップアップしていくのがおススメです。
まずは前の章で解説した通り、プロソディシャドーイングで音を拾う力をつけておくことが必要になります。
コンテンツシャドーイングは、具体的には次のような5つのステップでトレーニングを行います。
好きな英文を選びましょう。今の自分で処理できるレベルから少しだけ上、「ちょっと背伸びしたら届くレベル」を選ぶのが上達のポイントです。
知らない単語や表現が多い場合は、ここでしっかり調べて語彙力アップトレーニングを兼ねても良いですし、別の題材に変えても構いません。
音声なしで、スクリプトを音読します。内容をしっかり理解できる速度で、ちゃんと口に出して読むことがポイントです。口と頭が慣れるまで10回程度、繰り返します。
できるだけスクリプトに頼らず、耳から入った音をマネするように意識します。10回程度繰り返し、徐々にスクリプトに頼る割合を減らしていきます。
うまくできない場合は前のステップに戻るか、慣れるまでスピードを落としてからトレーニングして徐々にスピードアップしましょう。ここまではプロソディシャドーイングと同じです。
スクリプトを見ずにシャドーイングしながら、聞こえて来た音声を「聞く」「喋る」「イメージする」を同時に行います。集大成です。
この通り、コンテンツシャドーイングは、プロソディシャドーイング+内容理解(イメージ)です。
まずはプロソディシャドーイングで音を拾う力をしっかりつけた上で、ステップアップ版として取り組みましょう。
内容理解が追い付かない場合の対処法:リピーティング
コンテンツシャドーイング=プロソディシャドーイング+内容理解ということを単純化して解説しましたが、実際にはそんなに簡単ではありません。
「聞く」「話す」を同時に行う時点でマルチタスクなのに、更に「内容理解する」というタスクが加わりますので、仕方がありませんよね^^;
どうしても内容理解が追い付かない…
という場合は、「リピーティング」を行うのがおススメです。
リピーティングとは、英語リスニングのプロセスを分解した図にある通り、英語の音と理解を繋げるトレーニングです。
次の記事で、リピーティングについて詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてくださいね。
まとめ
今回は、コンテンツシャドーイングのやり方やステップアップ方法について解説しました。
シャドーイングは初心者には少し難しいトレーニング法ですが、この記事で紹介したコンテンツシャドーイングやプロソディシャドーイング、リピーティングを使い分けて、効果的に徐々にステップアップしていきましょう。
英語習得への道のりではこのように、
・習得に向けて必要な要素を分解(分析)して
・それを補うようなトレーニングメニューを選んで
・トレーニングメニューの目的を意識しながら取り組む
ことが効果的で、上達への最短ルートです。
次の記事で、あなたの課題を特定して効率的な学習計画を立てる方法について解説しているので、今のトレーニングメニューが適切か気になる方はぜひ参考にしてくださいね!
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