「シャドウイングのコツを教えてください」
今回は、そんなご質問にお答えします!
シャドウイングは、数ある英語学習法の中でもリスニング力を上げるのに特に効果的な練習法ですが、負荷が高くて初心者には難しいですよね。
でも、正しいやり方でステップアップし、慣れるまで繰り返しトレーニングすると、リスニング力は確実にアップします。
この記事では「プロソディシャドウイング」という、シャドウイングの中でもオーソドックスな手法のやり方やコツについて解説します。
シャドウイングの種類やそれぞれの使い分け方については、次の記事で解説していますので、チェックしてみてくださいね。
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プロソディシャドウイングとは
プロソディシャドウイング(Prosodic Shadowing)とは、英語の音を拾うことを主な目的としたトレーニングです。
“シャドウイング”から順に解説しますと、聞こえてくる英文を影(Shadow)のように追いかけて喋ることがシャドウイング(Shadowing)という名前の由来です。
具体的には、教材となる音声からだいたい、1~2語くらい遅れて自分の口から同じ速さ・同じ内容・同じ発音で発するようにします。
教材からの音声と、あなたが発する音声との関係を図にすると次のようになります。

聞いた音をすかさず口に出す必要がある上に、自分が口に出している間にも次の音を聞く必要があり・・・と脳内が忙しくとても大変です。
しかし大変だからこそ、流れてくる音に本気で集中しないとついていけない高負荷なトレーニングでもあります。
この高負荷があるからこそ、音声をより細部まで聞き取ろうとするようになり、リスニング力アップに繋がります。
その中でもプロソディシャドウイングは、プロソディ(Prosodic)=韻律という意味で、音に加えてリズムやイントネーションも含めて、教材となる音源のマネをします。
一般的に「シャドウイング」というと、このプロソディシャドウイングのことを言います。
プロソディシャドウイングの効果
プロソディシャドウイングを行うと、「英語の音を拾う力」をつけることができます。
英語リスニングのプロセスをより細かく分解し、トレーニング法との関係性を示した次の図を見てください。

リスニングは、細かく分けるとまず①英語の音を拾い、②英語の意味を理解する、という2ステップになっています。
この中でプロソディシャドウイングは、①の「英語の音を拾う力」をつける目的のトレーニングとして効果的です。
②の英語の意味を理解する目的のトレーニングとしては、コンテンツシャドウイングやリピーティング、あるいはそれらの組み合わせが効果的です。
ここで図の通り、プロソディシャドウイングよりも更に広範囲をカバーするコンテンツシャドウイングは更に高難易度になります。
というのも、コンテンツシャドウイングでは「音を拾って意味を理解する」までを行うので、先に「音を拾う力」がついてないと、意味を理解するのに使える時間がなくなるからです。
ですので、まずはこのプロソディシャドウイングで「音を拾う力」をしっかりつけることが重要になるのです。
プロソディシャドウイングのステップアップ
プロソディシャドウイングは、「聞く」と「喋る」を同時に行うマルチタスクなので、脳内が忙しくとても大変です。
初心者にはいきなり全部やるのは難しく挫折に繋がりやすいので、徐々にステップアップしていくのがおススメです。
プロソディシャドウイングは、具体的には次のような5つのステップでトレーニングを行います。
好きな英文を選びましょう。今の自分で処理できるレベルから少しだけ上、「ちょっと背伸びしたら届くレベル」を選ぶのが上達のポイントです。
知らない単語や表現が多い場合は、ここでしっかり調べて語彙力アップトレーニングを兼ねても良いですし、別の題材に変えても構いません。
音声なしで、スクリプトを音読します。内容をしっかり理解できる速度で、ちゃんと口に出して読むことがポイントです。口と頭が慣れるまで10回程度、繰り返します。
できるだけスクリプトに頼らず、耳から入った音をマネするように意識します。10回程度繰り返し、徐々にスクリプトに頼る割合を減らしていきます。
うまくできない場合は前のステップに戻るか、慣れるまでスピードを落としてからトレーニングして徐々にスピードアップしましょう。
プロソディシャドウイングはあくまで、「音を拾ってマネする」トレーニングですので、ステップ4、ステップ5では内容(意味)の理解までできなくても大丈夫です。
内容の理解まで含めたシャドウイングは、ステップアップ版のコンテンツシャドウイングで取り組みますので、まずは「音」だけに集中しましょう。
まとめ
今回は、プロソディシャドウイングのやり方やステップアップ方法について解説しました。
プロソディシャドウイングは初心者には少し難しいトレーニング法ですが、「英語の音を拾う力」をつけるにはとても効果的なトレーニングなので、簡単なところからステップアップしながら少しずつ上達していきましょう。
ここでしっかりトレーニングを積んでおくことが、この後の「英語の意味を理解する」トレーニングにも繋がります。
「英語の意味を理解する」トレーニングとしては、僕はコンテンツシャドウイング(もしくはそれとリピーティングとの組み合わせ)をオススメしています。
次の記事で、コンテンツシャドウイングで英語の意味を理解する力をつける方法について解説しているので、ぜひチェックしてみて下さいね。
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