「TOEICのスコアって高い方がいいのは分かってるけど、実際どれくらいあればいいの?」
「そこそこ良いスコア持ってるけど、更に高得点を目指したほうがいいの?」
TOEICは学習をある程度続けると、頻出単語を覚えたり出題パターンに慣れて来て、勉強した分だけスコアが上がりやすくなります。
このまま頑張り続ければ900点台も夢じゃない!と考えてしまいがちですが、それを目指すのはあまりおススメしません。
僕自身の経験や今の転職市場の要求などを見ても、特別な事情がない限りTOEICは730点あれば十分です。
せっかく英語学習に時間を使うなら、TOEICスコアよりも英語コミュニケーション力を伸ばした方が遥かに効果的です。
この記事では、TOEICスコア730点を取れたら英語コミュニケーション力を伸ばすべき理由や、その具体的なトレーニング方法について解説します。
僕自身も過去、ひたすらTOEICハイスコアを目指して学習してきた反省をもとに綴った記事なので、反面教師としてぜひ最後まで読んでくださいね。
- 英語を使って海外顧客相手に仕事する日系企業サラリーマン
- もともと純ジャパ・海外経験なし、社畜生活で不眠症を経験
- 自分を変えるべく独学で&国内で英語を習得、TOEIC950点
- 現在はドイツ駐在中
- 英語で人生を豊かにする人を増やしたい!
TOEIC 730点は転職市場でも十分通用する
TOEIC 730点は実は転職市場でも十分通用するアピール性の高いスコアです。
実際どれくらい通用するのか、転職サイト「ビズリーチ」に掲載されている募集要項を調べてみました。
ハイクラス転職に強いビズリーチには英語力の高い人材も集まるので、ここで求められているTOEICスコアをクリアできれば、アピール性が高いことになります。
まず募集要項としてTOEICスコアを記載している求人件数自体はどれくらいかを見てみると、次のような結果になりました。
募集要項に「TOEIC」を含む件数:約3,700件
求人全体:約84,000件
(職種・業種・勤務地など指定なし、2023年6月時点)
求人全体のうち、「TOEIC」というワードを含む求人案件は全体の5%未満という結果です。
TOEICを募集要項に載せている時点で、他よりも英語レベルが要求されている求人案件と見ることができそうですね。
その中でも、求められるスコアまで記載のある求人件数を点数別に調べたところ、次のような結果になりました。
キーワードに「TOEIC 〇〇点」のみを入れてHITした件数
・550点以下:0件
・600点:20件
・650点:7件
・700点:33件
・730点:12件
・750点:1件
・800点:20件
・850点:2件
・900点:9件
・950点以上:0件
(職種・業種・勤務地など指定なし、2023年6月時点)
これによると、TOEIC 730点あれば、TOEICスコアの記載がある求人全体(104件)のうち約7割(72件)に応募可能です。
実際には募集要項の中でも、TOEICスコアをMUST(必須)要件としているものとWANT(歓迎)要件としているものが含まれますが、TOEIC 730点は多くの求人案件で通用するのは間違いありません。
「TOEIC 730点以上」と記載のあった求人を細かく見ていくと、「グローバル事業拡大に向けた戦略企画」や「海外マーケティング」など、ハイクラス感の漂う職種が見つかります。
中には「グローバル事業推進マネージャー/海外50か国と連携し、事業戦略と投資計画を進めるSIer」という業種も、TOEIC 730点以上をMUST要件としていました。
TOEIC 730点あれば、このような職種への応募が可能になるので、転職市場でも十分通用するレベルと言えます。
ちなみにTOEIC 900点以上の求人は海外営業やグローバルメーカーの人事など、英語を使った対人コミュニケーションが必要な案件でした。
TOEICスコアよりも英語コミュニケーション力を伸ばそう
TOEICは学習時間が点数に直結しやすく、あなたの現在のスコアにもよりますが、だいたい200~250時間で100点アップできると言われています。
より高スコアになると所要時間が長くなる傾向になり、例えばあなたが今、TOEIC 850点を取得していれば、950点へと100点アップするのにかかる時間は325時間程度になります。
TOEICは高スコアであるほどアピール性が高いのは間違いないので、これくらいの時間をかけてでもスコアアップを目指す英語学習者が多いですよね。
でも僕は、同じ英語学習時間を使ってTOEICスコアアップよりも英語コミュニケーション力アップを目指すことをおススメします。
そして、このように学習の方向性を変えるタイミングとしてはTOEIC 730点が最適と思います。
TOEIC 730点取得したら英語コミュニケーション力アップを目指すべきと考えている理由は、大きく分けて次の3つです。
- 実用的な基礎を習得できいるレベルだから
- 更なる高得点に必要なのはスピードだから
- 実務で重要なのはハイスコアよりもコミュニケーション力だから
実用的な基礎を習得できいるレベルだから
TOEIC 730点取得したら英語コミュニケーション力アップを目指すべき理由の1つ目は「実用的な基礎を習得できいるレベルだから」です。
TOEICプログラムを開発した機関「ETS」が発行するPROFICIENCY SCALEという、TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関を見てみると、次の図のようになっています。
TOEIC 730点(レベルB)で「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている」とされていますね。
この基準と照らし合わせて考えると、TOEIC 730点は実用的な基礎を習得したと言えるレベルにあります。
更なる高得点に必要なのはスピードだから
TOEIC 730点取得したら英語コミュニケーション力アップを目指すべき理由の2つ目は「更なる高得点に必要なのはスピードだから」です。
日本のTOEIC受験者は、リスニングとリーディングの得点に平均約100点の差があると言われています。
これを踏まえると、多くの受験者にとってTOEIC 730点の内訳は次のようになっていることが多いはずです。
・リスニングパート:415点 / 495点 (正答率 83%)
・リーディングパート:315点 / 495点 (正答率 64%)
特にリーディングのスコアを攻略することが、更なる高得点取得のカギになることが分かりますね。
TOEICのリーディングはボリュームがとても多く時間がタイトなため、最後までたどり着かない受験者がとても多いです。
高得点を狙うには、このようなタイトな時間の中でも最後までたどり着く「スピード」がとても重要になります。
これに関しては英語の処理能力を上げるしかないのですが、実は英語コミュニケーション力のトレーニングをすれば処理能力も上がります。
英会話のようなコミュニケーションは、「瞬時に英語の意味を理解する・瞬時に英語の文章にする」という作業の繰り返しです。
コミュニケーション力のトレーニングでは、こういった「瞬発力」を鍛えるので、必然的に処理能力が上がるのです。
人によっては結果的に、処理能力アップのおかげでスピードがアップし、TOEICの点数が上がる場合もあります。
僕も実際、このトレーニングにシフトしてから100点上がりました!
実務で重要なのはハイスコアよりもコミュニケーション力だから
TOEIC 730点取得したら英語コミュニケーション力アップを目指すべき理由の3つ目は「実務で重要なのはハイスコアよりもコミュニケーション力だから」です。
TOEIC 730点以上を保有していて、職場であなたの英語力が認められると、英語関連業務が回ってきたり、英語を扱う部署へ異動になる可能性も出てきます。
TOEICスコアは、こういった英語力のアピールには使えますが、実際に業務で英語を使う時にはコミュニケーション力の方がより重要です。
ここでいうコミュニケーションとは主に英会話のことで、英語で自分の考えを伝える、相手の伝えたいことを理解する、のキャッチボールができる力です。
皮肉なことに、TOEICハイスコアを目指す勉強熱心な人ほど、「TOEICハイスコアだけど話せない」というパターンに陥りやすい傾向にあります。
こうなってしまわないよう、TOEICスコアは730点取得できたら、コミュニケーション(会話)力を鍛えるトレーニングに切り替えましょう。
目指すは英語を「スムーズに使える」状態
既に解説したように、TOEIC 730点を取得している人は「実用的な基礎を習得しているレベル」と言えます。
なのに喋れない人がこれほど多いのはなぜか、それは英語を知識として「知っている」だけの状態にあるからです。
実際に英会話を行うには、英語を「知っている」状態から「スムーズに使える」状態を目指す必要があります。
ではどうすれば「知っている状態」から「スムーズに使える状態」になれるのでしょうか?そもそもその差は何でしょうか?
TOEICは高得点だが英会話は苦手だ、という英語学習者に多いのが次のような意見です。
・文章を頭の中で組み立ててから喋るので時間がかかる
・リスニングの処理が追い付かない
つまり、スピーキングもリスニングも「瞬発力がない」ということですね。
これは英語だけでなくどんな言語でも一緒ですが、会話は「単語を並べて発する」という作業のキャッチボールです。
この会話を構成する要素は「単語」「文法(=並べ方)」「発音(=発し方)」の3つです。
TOEIC高得点者だが英会話が苦手だという人も、これら単語力(語彙力)や文法力などの個別の要素については非常に高い能力を持っています。
一方で不足しているのは、単語を素早く並べて発声する力や、音から意味を素早く理解する力です。
これこそが、英語を「知っている」状態と「スムーズに使える」状態の差であり、トレーニングが必要な部分なのです。
英語コミュニケーション力を伸ばす具体的なトレーニング法
TOEIC高得点者が英語コミュニケーション力を伸ばすためには、単語を素早く並べて発声する力や、音から意味を素早く理解する力を鍛えることが重要だということを解説しました。
それは具体的にどんなトレーニング方法かというと、僕がおススメするのは大きく分けて次の3つです。
- 瞬間英作文で自分のイメージを瞬時に声に出す(スピーキング力)
- シャドウイングで音からイメージに瞬時に変換する(リスニング力)
- オンライン英会話で実践し定着させる
これら3つを組み合わせて、「瞬間英作文とシャドウイングを日々行い、オンライン英会話で実践する」という学習を習慣化するのが理想です。
瞬間英作文で自分のイメージを瞬時に声に出す
瞬間英作文はスピーキングを想定した練習で、自分の言いたいことを瞬時に英文に変換し、言葉に発するトレーニング方法です。
このトレーニングにより、次の図のようにイメージを直接英語で発することができる状態を目指します。
瞬間英作文はとても負荷が高いトレーニングで、いきなり全部完璧にやろうとすると挫折に繋がってしまいますので、段階を踏んで少しずつステップアップしていくのがポイントです。
次の記事で、瞬間英作文のメリットや練習のコツについて詳しく解説しているので、ぜひチェックしてくださいね。
シャドウイングで音からイメージに瞬時に変換する
シャドウイングは主にリスニング力を伸ばすトレーニングで、聞いた英文を、少しタイミングをずらして同じように言葉に発するトレーニング方法です。
このトレーニングにより、次の図のように英語の音から直接、意味を理解できる状態を目指します。
瞬間英作文と同様に、シャドウイングもとても負荷が高いトレーニングで、段階を踏んで少しずつステップアップしていくのがポイントです。
次の記事で、シャドウイングのメリットや練習のコツについて詳しく解説しているので、ぜひチェックしてくださいね。
オンライン英会話で実践し定着させる
瞬間英作文やシャドウイングは、基本的には個人で(一人で)行うタイプのトレーニングですが、一方で実際の英会話では必ず相手がいますよね。
練習ではスムーズに話せていた内容が、人間(外国人)を相手にすると緊張して話せなくなる、なんてことはよくあります。
こうならないよう、本番と同じような会話形式の練習で慣れておくことが大事です。
また日々の学習で学んだ内容(インプット)を、会話で意図的に使う(アウトプット)ことで、その内容が頭に定着しやすくなるという効果も期待できます。
このような実践形式の練習の場としては、コスパや利便性に優れるオンライン英会話がおススメです。
インプット・アウトプット・オンライン英会話が一つになったおススメの教材
ここで解説した、単語を素早く並べて発声する力や、音から意味を素早く理解する力を鍛えるのにとてもおススメの教材があります。
それは「スタディサプリ×ネイティブキャンプの英会話セットプラン」というものです。
実在のシーンを想定した会話で瞬間英作文やシャドウイングなどの学習ができるスタディサプリの学習アプリと、ネイティブキャンプのオンライン英会話がセットになったプランで、まさに「オールインワン」。
スマホ1つですべて完結する上に、スキマ時間に学習できる機能も備わっているので、特に日々忙しい中で英語を学習する会社員にとってはとても魅力的なプランです。
次の記事で、スタディサプリ×ネイティブキャンプの英会話セットプランについて詳しく解説しているので、ぜひチェックしてくださいね。
まとめ
この記事では、TOEICスコア730点を取れたら英語コミュニケーション力を伸ばすべき理由や、その具体的なトレーニング方法について解説しました。
TOEIC 730点は転職市場でも十分通用するレベルですし、基礎を習得できている水準なので、更なるハイスコアを狙うよりも英語コミュニケーション力アップに切り替えるタイミングとしてピッタリです。
瞬間英作文やシャドウイング、オンライン英会話を組み合わせて、会話の瞬発力を鍛えましょう。
なお、この記事で解説した英語コミュニケーション力は、習得すると会社員として大きな武器になります。
その秘訣は「あなたの専門性」と「英語コミュニケーション力」との掛け算です。
次の記事で、英語コミュニケーション力を活かして、ビジネスパーソンとして独自の存在を目指す戦略について解説しているので、ぜひチェックしてくださいね。
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