「VERSANTって最近聞くけど、どういうテストなの？」
「VERSANTって企業でどれくらい普及してる？受ける意味ないんじゃないの？」
ここ最近じわじわと認知度が高くなってきたVERSANTですが、そうはいってもまだTOEICに比べるとマイナーで、このような疑問を持つ英語学習者も多いと思います。
でも実はVERSANTは、英会話力を簡潔に数値化できる、客観的で信頼性のある英語テストです。
5,500円(税込み)と決して安くはなく、テスト内容も難しいですが、スコアは就職活動や会社での昇進・選抜に使われる上に、うまく使えば英語学習を効率的に進めるのにも有用です。
この記事では、VERSANTの概要と受験するメリット、効果的な使い方について解説します。
企業での利用実態など、実際に企業に属している側からの目線で解説していますので、VERSANTを受験するか迷っている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
- 英語を使って海外顧客相手に仕事する日系企業サラリーマン
- もともと純ジャパ・海外経験なし、社畜生活で不眠症を経験
- 自分を変えるべく独学で＆国内で英語を習得、TOEIC950点
- ドイツに研究留学して博士号取得、2024年から海外駐在へ
- 英語で人生を豊かにする人を増やしたい！
VERSANTとは？
VERSANTは、「英語を聞いてから英語で話す」という実際のシーンに沿った英語のコミュニケーション力を測ることができるテストです。
世界約200カ国で事業展開する世界最大の教育サービスプロバイダー・ピアソン社により開発され、国内外のグローバル企業での採用のほか、米国防総省などの政府機関でも導入されており、信頼性が高いです。
VERSANTの特徴は次の４つです。
・スマホやPCがあればいつでもどこでも受験可能
24時間365日、スマホやパソコンで手軽に受験可能！テスト会場への移動や試験官の手配などは必要なし！
・短時間で終わる
スピーキングは約20分、ライティングは約35分で完了。回答は自動採点され、すぐに結果を確認可能！
・世界標準
グローバルに展開する大手企業や世界中の政府機関で英語力を測定するテストとしての採用実績多数！
・客観的
最先端のAIを使った言語認識＆自動採点システムにより、客観的で公平な英語力測定と弱点把握を実現！
実際に、僕の所属する会社（一応、日系の大手企業です^^;）でも採用されています。
スマホで完結する簡便性があるのに信憑性が高い、こんなテストはなかなか見ないですよね。
VERSANTテストは4種類ありますが、この記事では以降、
VERSANTスピーキングテストについて解説していきます！
どんなテスト内容？
VERSANTスピーキングテストの内容は次の6つのパートに分かれており、合計で63問、約20分で完結します。
- パートA：音読(8問)
-
短い文章を8つ、指示に従って順番に読み上げます。
例題
・Larry’s next door neighbors are awful.
・They play loud music all night when he’s trying to sleep.
・If he tells them to stop, they just turn it up louder.
・He wants to move out of that neighborhood. - パートB：複勝(16問)
-
聞こえてきた音声をそのまま繰り返します。徐々に長い文章になり、後半になるほど難易度が上がります。
例題
・Get some water.
・Let’s meet again in two weeks.
・Come to my office after class if you need help. - パートC：質問(24問)
-
聞こえてくる質問に対して、完結に回答します。文章ではなく、単語レベルでの回答でOKです。
例題
(Q) What is frozen water called? ⇒ (A) Ice
(Q) How many months are in a year and a half? ⇒ (A) Eighteen
(Q) Does a tree usually have more trunks or branches? ⇒ (A) branches - パートD：文の構築(10問)
-
1つの文章が3つのブロックに分けられた状態で順不同で流れてくるので、正しい順番に並べ替えて答えます。
例題
(Q) in / bed / stay ⇒ (A) stay in bed
(Q) she didn’t notice / the book / who took ⇒ (A) She didn’t notice who took the book.
(Q) we wondered / would fit in here / whether the new piano ⇒ (A) We wondered whether the new piano would fit in here. - パートE：話の要約(3問)
-
3～6文(30～90語)からなる短い話を聞いた後、30秒の回答時間の間にできるだけ話を詳細に再現します。
例題
Three girls were walking along the edge of a stream when they saw a small bird with its feet
buried in the mud. One of the girls approached it, but the small bird flew away. The girl
ended up with her own feet covered with mud. - パートF：自由回答(2問)
-
生活上の問題や個人の好みに関する質問を聞いて、40秒の回答時間の間に自分の回答とその理由を説明します。
例題
・Do you think television has had a positive or negative effect on family life? Please explain.
・Do you like playing more in individual or in team sports? Please explain.
すべて「聞こえてくる設問に対し回答する」ので、スピーキングの前にまずリスニングができないと答えられません。
また、全ての問題はネイティブスピーカーが自然なスピードで話している上に、実際の生活を想定してわざと「クリアじゃない音質」にしたりと、まず設問を聞き取るのが大変です。
これを聞き取った上で瞬時に回答しないといけないので、テストの難易度は高めです。
受験人数はTOEIC SWの1.5倍くらい
VERSANTは世界100か国以上で年間150万人(延べ人数)が受験しています。
日本では2015年から2021年の間で累計40万人程度を突破しているので、年間平均にすると約5～6万人くらいです。
同じスピーキングテストして有名なTOEIC Speaking & Writingテストが2021年に3.5万人なので、その1.5倍くらいですね。
VERSANTは日本での知名度はまだまだ低いですが、受験人数からするととても大規模ということがわかります。
スコアの見方
VERSANTの総合スコアは20～80点で、「文章構文・語彙・流暢さ・発音」の４つの項目の結果に応じてスコアが数値化されます。
日本人のスコア平均は38点、CEFR(欧州で外国語の習得状況を示すのに使われる指標)と相関しており、あなたのスピーキング力を客観的に知ることができます。
VERSANTは意味ないのか？受験するメリットを解説
VERSANT公式サイトによると、国内約500の企業・教育機関がVERSANTを導入しており、具体的には就職・転職や社員の選抜、英語研修の効果測定といった事例が紹介されています。
日系企業の就職・転職ではあまり有用ではない
VERSANTを募集要項に書いている企業はどのくらいあるのでしょうか？
転職サイトであるビズリーチで検索してみた結果は次の通りでした。
職種・業種・勤務地など指定せず、キーワードにTOEIC / VERSANTのみを入れて求人検索した結果(2023年6月時点)
・TOEIC：3736件ヒット (日系から外資系まで幅広く)
・VERSANT：6件ヒット (主に外資系が多い)
ハイクラス求人に強いビズリーチには、英語力のある人材が集まると思われますが、やはり日本での知名度が高いTOEICスコアを応募要項に書いてある企業が圧倒的に多かったです。
一方でVERSANTのスコアを募集要項に書いてあるのはごく一部の外資系企業のみで、日本での知名度はまだまだ低いといえる結果です。
日系企業への就職・転職を考えるなら、今はTOEICの方がアピール効果が高そうです。
僕の勤務先（日系）でも、グローバル人事が使っているくらいで
一般社員にはほとんど浸透していないです。
社員の選抜に使われる事例もある
VERSANT公式サイトでは、社内の海外研修の派遣者選抜や、英語教育サービスでは講師の選抜という事例が紹介されています。
僕の勤務先の日系メーカーでは選抜制度には使われていませんが、海外研修や海外勤務を希望する時のアピールには使えると思います。
なぜなら、グローバル人事はこのVERSANTテストを利用した効果測定をしており、その有用性や信憑性を知っているからです。
今はまだ知名度が低いですが、今後TOEIC高得点者が増えると、VERSANTを活用する企業は増えてくると思うので、先に準備をしておくと有利になると思います。
英語社内公用語化をいち早く取り入れた企業として有名な楽天も
VERSANTに力を入れているようですよ！(東洋経済オンラインより)
英語研修の効果測定にも使われる
VERSANT公式サイトでは、企業の英語研修前後でのスコアの推移でその効果を測っている事例が紹介されています。
また英語コーチングサービス「PROGRIT(プログリット)」や「TORAIZ(トライズ)」でも、コーチングによるスピーキング力アップを数値化するのにこのVERSANTスコアが使われています。
僕も海外留学前後でVERSANTを受験するよう指示がありました。
留学での語学力アップの効果測定に使っていたのだと思います。
英語学習効果の可視化に使える
VERSANTは、AI技術によりスピーキング力を数値化してくれる信憑性の高いテストですので、「スピーキング力の成長」を測るのにピッタリです。
「PROGRIT(プログリット)」や「TORAIZ(トライズ)」などの英語コーチングサービスで使われているように、あなた自身の英語学習の効果測定にVERSANTを取り入れることがおススメです。
具体的には次のようにVERSANTを利用することで、成長を感じながら学習を続けられます。
・英語学習の開始前に受験しておく
・英語学習しながら定期的に受験する（2か月に1回程度がおススメ）
スピーキング力は自分で客観的に測れませんが、学習の効果を数値で測れて成長を感じられれば、挫折防止にもつながりますね！
VERSANT受験の流れ
VERSANTを個人で申し込んで、実際に受験して結果を受け取るまでの流れを解説します。
テストは「スマホアプリ・ウェブブラウザ・ソフトウェアインストール」の3種類の受験方法がありますが、ここでは一番簡単なスマホアプリを使った手順を紹介します。
VERSANT公式サイト右上の「個人で受験をご希望の方」から販売代理店を選び、申し込みます。(税込5,500円)
申し込み完了から数日以内、早ければ半日以内に受験番号(TIN)が届きます。
App StoreやGoogle Playから、VERSANT公式アプリをダウンロードします(無料)。
アプリを開くと「Do you have a Test Identification Number (TIN)?」と聞かれるので、「Yes」を選択します。
「Start Test」を選んで、STEP1で受け取った受験番号TINを入力します。
マイクやスピーカーのチェック、機内モードへの設定などを行います。
約20分間、全63問に回答します。
AI採点により、テスト終了から数分で結果が表示されます。
個人でとても簡単に受験できることが分かりますね。
最初はちょっと緊張しますが、問題をこなしていくとすぐに慣れますよ！
ホーム画面から「Practice」で練習問題に挑戦できるので、出題形式に慣れるためにぜひ練習しておきましょう！
まとめ：VERSANTを有効活用しよう
今回は、VERSANTテストの概要や受験するメリット、効果的な使い方などについて解説しました。
今はまだまだ知名度の低いテストですが、その簡便さと信憑性の高さから、企業を中心に今後もっと普及していくテストだと思います。
また英語スピーキング力を数値化できるので、あなたの学習の効果を数字で見られて、成長を感じるツールにもなります。
今後もっと普及していくであろうVERSANTをいち早く活用して、効率よく習得を目指しましょう！
なおこのブログでは、英語を効率的に習得して人生を豊かにするための情報やノウハウを発信しています。
次の記事で、英語習得に向けた５ステップを解説しているので、これから英語習得を目指す人や、英語の勉強の仕方に迷いがある人は、ぜひチェックしてみてくださいね。
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