TOEICで高スコアを取ったのに話せない!という人が多いので、「TOEIC頑張っても意味ないよ」という主張をよく聞きます。
僕自身もそうでしたが、確かにTOEIC学習だけでは英会話はできるようになりませんでした。
でも今振り返って思うのは、TOEICのスコアアップと英会話力の向上は別物ということと、TOEIC学習をうまく使えば効率よく英会話上達に役立てることができるということです。
この記事では、TOEICが意味ないと言われてしまう原因を分析しつつ、TOEIC学習をうまく使って英会話上達に活かす方法について解説します。
TOEIC学習を続けて良いのか迷っている人や、英会話を効率よく上達したい人は、ぜひ参考にしてくださいね。
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TOEIC頑張っても意味ないよと言われてしまう理由とは?
そもそも「TOEIC頑張っても意味ないよ」と言っている人たちは、何を期待してTOEICを頑張っていたのでしょうか?
英語喋れるようになりたいからとりあえずTOEIC頑張るか。
と思っていた人が多いんじゃないかな、と思います。
実際にTOEICを運営するIIBC(国際ビジネスコミュニケーション協会)によると、TOEICスコアとコミュニケーション能力レベルとの相関は次のようにまとめられています。
TOEICスコア毎にどのようなコミュニケーションができるかの目安について書かれていますが、特に860点以上のハイスコアになると「十分なコミュニケーションができる」とされていますね。
これは、いわゆる「英語ペラペラ」の状態をイメージする人が多いんじゃないでしょうか。
でも実は、実際の会話でこの表の通りコミュニケーションが取れるかどうかは別問題です。
なぜなら、このTOEICスコアはリスニング&ライティングのみで、スピーキングは評価されていないからです。
実際、僕もTOEICスコアアップ学習を頑張って860点を取った当時を振り返ると、表に書かれているように「十分なコミュニケーションができる」とはとても言えない状態でした。
コミュニケーション手段としては会話がメインなので、リスニング力だけでなくスピーキング力もないと、ちゃんと意思疎通できませんよね。
TOEICで高スコア取ったけど、全然喋れないよ…
という人は、このように思い描いていたTOEICハイスコアの世界と、喋れない現実のギャップに直面してしまい、「TOEIC頑張っても意味ないよ」と言っているのでしょう。
皮肉なことに、勉強熱心で試験対策をしっかりやる人ほどこうなってしまう傾向が強いように思います。
TOEIC学習はどう使えばいい?
じゃあTOEICをどれだけ頑張っても話せないから無意味では?と思ってしまうかもしれませんが、そんなことはありません。
まずTOEIC学習で得られる英語力と、実際のコミュニケーションに必要な能力にはギャップがある、ということを理解しましょう。
その上で、TOEIC学習をうまく使って、あなたの英語学習プランを組み立てれば良いのです。
具体的にどうするのかというと、例えば次のように、TOEIC学習も取り入れながら、それ以外の学習と組み合わせるのをおススメします。
TOEIC学習でできること | TOEIC学習以外でやること(スピーキング用) |
---|---|
基礎力(単語・文法)やリスニング力を鍛える 英語学習のリズムや習慣を作る 現在地の指標にして学習モチベーションを維持する | 発話の瞬発力を鍛える(瞬間英作文など) 実践の会話に慣れる(オンライン英会話など) |
スピーキングに向けた学習ととしては、TOEIC学習で鍛えられる基礎力やリスニングに加え、瞬間英作文やオンライン英会話で「自分のイメージを言葉にする」練習が必要です。
なお次の記事で、瞬間英作文のやり方や効果について解説しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
TOEIC 730点取れたら実践練習を始めよう
TOEICは学習した時間分だけ点数が上がっていくので、より高スコアを目指したくなってしまいます。
しかしTOEICは、必ずしも満点を目指す必要はありません。
ある程度の点数が取れたら、それ以降はオンライン英会話のような実践形式の練習を取り入れることをおススメします。
その「ある程度」の目安はどれくらいなのか?というと、僕は730点くらいがいいと考えています。
TOEICで730点を取ったら実践練習を行った方が良いと考えている理由は、次の3つです。
- 実践練習の基礎力は十あるレベルに達しているから
- 実践練習を行うことでTOEICのスコアアップも期待できるから
- TOEIC高得点よりも、スピーキングができる人材の方が希少性が高いから
実践練習の基礎力は十分あるレベルに達しているから
TOEIC 730点を取ったら実践練習を行った方が良い理由の1つ目は「実践練習の基礎力は十分あるレベルに達しているから」です。
できるだけ早い段階で実戦形式の練習を始めた方が良いですが、一方で基礎力がない中で実践に進んでも効果は低いです。
実践練習に行く前にある程度の基礎力は必要で、730点あれば基礎力は十分あると言えます。
この記事の冒頭の図にあるPROFICIENCY SCALEでも、TOEIC 730点で「どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている」とされていますね。
730点あれば、(少なくとも時間をかければ)会話でコミュニケーションが取れる基礎力が十分あると言えますので、実践練習を取り入れましょう。
実践練習を行うことでTOEICのスコアアップも期待できるから
TOEIC 730点を取ったら実践練習を行った方が良い理由の2つ目は「実践練習を行うことでTOEICのスコアアップも期待できるから」です。
TOEICで730点より更に高得点を取るには、情報処理スピードが重要になります。
オンライン英会話のような実践練習をすると情報処理スピードを鍛えられるので、実は一見無関係に見えるTOEICの得点アップに繋がります。
僕自身もTOEICスコアアップ学習に集中していた時、オンライン英会話での学習を取り入れて情報処理スピードが上がり、TOEICスコアが100点上がりました。
次の記事で、当時の状況やスコアアップに繋がった理由について詳しく考察しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
TOEIC高得点よりも、スピーキングができる人材の方が希少性が高いから
TOEIC 730点を取ったら実践練習を行った方が良い理由の3つ目は「TOEIC高得点よりも、スピーキングができる人材の方が希少性が高いから」です。
TOEICが普及し、その攻略法も広く知れ渡るようになったので、TOEICハイスコア保持者は珍しくなくなってきました。
でも、高得点なのに話せない人は今でも変わらず多く、スピーキングができる人は希少性が高いです。
一方でスピーキングができる人材は、ビジネスの世界での需要も高いので、あなたの武器になります。
TOEIC高得点を目指すよりも、スピーキング力アップを目指した方が、あなたの市場価値が高まって得策なのです。
まとめ:TOEIC学習をうまく使って英会話力を高めよう
今回は、英会話力を上げるためのTOEIC学習の使い方について解説しました。
英会話力を高めるにはTOEIC学習を通じて基礎を固めて、そこから実践練習を取り入れていくのが効率良い学習方法です。
なお、英語を習得するまでの道のりを考えて、その中でTOEIC学習がどんな効果を期待できるのか、という視点を持つことができれば、この記事の内容はより理解しやすくなります。
次の記事で、英語を習得するまでの道のり(ロードマップ)について詳しく解説しているので、英語習得の全体像を把握して学習を進めたい人は、ぜひチェックしてみてくださいね。
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